火精
第2話・・・「恥辱」

 わたしの通う『私立英明学園』は、都内でも名門といわれる部類の学校だ、小学校にあたる『幼稚舎』から『中学舎』『高等学舎』そして『大学』と一度入試をクリアーすれば、エスカレーター式に大学まで上がれる、当然ある程度の学業レベルを維持していかなければ、途中であっさり追い出されるらけど・・・
 由紀とわたしは、一応激しい受験戦線を勝ち抜いて、中学からこの学園に入学してきた、いわゆる『外様』で、橘聖人クン達は幼稚舎から在学している、『生え抜き』と言う奴だ。
 『外様』と『生え抜き』では、入学当初はなんとなく距離があるけど、一年もすればその距離も「一部の人間」を除いて、すっかり縮まる。
 だが、放課後の人気のない視聴覚室で、わたしを取り囲む4人のクラスメイトは、明らかに「一部の人間」だった。
 4人とも当然あたしより体格がいい、リーダー格の松下は、由紀程ではないけど、背が高く、目がチョットキツイが、和風美人。
 デブの橋本は、松下の次に背が高く、顔はニキビだらけで、暑苦しい、他の二人、近藤と永井は155センチくらいの平均的な身長で、近藤はメガネをかけてショートカット、永井は眉毛が太くて「類人猿」のような顔をしている。
 4人とも、わたしが昼休みに橘クンと親しげにしていたのが、気にいらなかったようで、ホームルームが終わると、無理やりわたしを校舎裏までひっぱて来たのだ。
「『外様』のくせに、橘くんと親しくするなんて、10年早いんだよ」
 橋本がわたしの胸を突き飛ばすと、背後の壁に背中があたる。
「そうだよ、『お子様』なのに、毎日橘君に色目使いやがって」
 類人猿の永井が、横から肩を突き飛ばす、わたしは倒れて床に右手をついた、顔が類人猿だけあって、見た目以上に力がある。
「知ってんだぜ、1年の時から毎日橘君のこと、ずっと見つめてるの」
 そう言うと、橋本が、わたしのブラウスのむなぐらをつかんで、無理やり立ち上がらせる。その拍子にブラウスのボタンが2,3個弾け跳んだ。
「何とか言いなさいよ、チビ」
 一言もしゃべらない、わたしに頭にきた近藤が、わたしのふくらはぎに、蹴りを入れる。
 それでもわたしは、顔をしかめたものの、一言も声を発しなかった。
 いや、恐怖で喋る事ができなかったのだ。
「喋りなって、言ってるでしょ、それとも、お嬢様は、橘君とは楽しくおしゃべりできても、あたしらとは、汚らわしくて、話す口は持ってないのかしら?」
 松下はきっとすごい形相で、わたしのことをにらんでいると思うが、わたしは恐怖で顔をうつむいて、震えるだけで、彼女の顔を見ることもできない。
「じゃあ、しょうがないわね、身体に聞いてあげる」
 身体に聞く?
 突然、橋本が後ろから、羽交い締めにする。
 え?
 わたしが驚いて顔を上げると、松下が獲物を狙う蛇のよな目で、あたしをにらみながら、赤く長い舌で下唇をぺろっと舐めた。
「さて、柏木有宇子お嬢様の、身体検査といきましょうか」
 身体検査?
 近藤が嬉しそうに、わたしの顔をのぞきこむ。
「さ〜て、有宇子お嬢様は、もうボウボウかしら?それとも、お子様な外見どうり、ツルツルかな〜?」
 ボウボウ?
 何のことを言ってるの?
「ツルツルに決まってるじゃない、お子様なんだから」
と、松下。
「いや、チョコットはあるんじゃない?」
と、永井。
 ま、まさか、身体検査って・・・嫌な予感が頭をよぎる。
 いや、同じ中学生の彼女たちが、いくらなんでも、そんな事・・・
「いや、意外とボーボーだぜ」
 彼女らの言葉に、冷たい汗が身体中から噴き出す。
「自分でスカート上げなさい」
 松下が、冷たく言い放つ。
「え?」
 彼女の言葉に、思わずこの日初めて反応をしてしまう。
「自分でスカート、上げろって言ってるだろ、聞こねーのか?」
 松下の隣で、永井が語尾を荒げて怒鳴る。
「そ、そんなこと、できるわけ・・・」
 わたしが顔を背けると、松下がイキナリ平手で、わたしの右頬を叩いた。
 悲鳴も上げないで、歯を食いしばり、にらみ返す。
 たたかれた頬が、熱く火照り、涙がつたわる。
「上げなさい」
 また松下。
「嫌だ」
 わたしは松下ににらみ返すと、今度は右頬を平手で叩いた。
「いい加減にしなさい、自分の立場が、判ってないのかしら、おチビちゃんは」
「い、いや・・・」
 再び拒否すると、今度は、髪の毛をワシヅカミして、前後左右に振る。
「いや、痛い」
思わず悲鳴をあげる。
「自分で、スカート上げる?」
 松下の冷酷な声が、響く。
「あ、上げるから、放して・・・」
「『スカート上げさせてください』でしょ」
 さらに髪の毛を強く引っ張る、身体を羽交い締めにされている為に、身動きが取れないわたしは、どうすることもできずに。
「いたたたた、お願い、放してください、す、スカート、あ、上げ、上げさせてください・・・」
 屈辱と痛みで、涙を流しながら、言ってしまった。
「ふふ、思ったとおり簡単に折れたわね・・・やっぱり血かな?」
 血?何を言ってるの?
 髪の毛から、手が離れる。
 松下の手に何本か、わたしの髪の毛が絡んでいる。
「ほら、さっさと上げろ」
 耳元で永井がささやく。
 わたしは屈辱で顔を真っ赤にして、涙をボロボロこぼしながら、両手でスカートの裾をつかんだ。
 しかし、頭ではわかっていても、人前でスカートを上げるなんてできない、わたしがモタモタしながら松下の顔色を覗っていると、彼女はまた蛇のような目で、にらみつける。
 ついに堪忍して、わたしは徐々に両手を上げ、パンツが見えるギリギリまで、スカートを上げた。
「まだよ、いいって言うまで、上げなさい」
 松下の眼光が、さらに強くなる、女子中学生とは思えない目だ、爬虫類の目、蛇の眼差し、怖い・・・
「上げなさい」
 松下の冷たい声、蛇の声。
 わたしの両手が再び上がる。
「もっとよ」
「まだね」
「もっと上げなさい」
 結局彼女の許しが出たのは、スカートが完全にめくり上がり、裏地が全部が見えるまで、めくれ上がってからだった。
「可愛いパンツ、穿いてるじゃん」
 わたしの、白地に水色の横縞が入ったパンツを見ながら、永井が言う。
 恥ずかしさで顔がさらに赤くなる。
「押さえて」
 松下の声とともに、近藤、永井の二人が、わたしの両腕を固定し、スカートを放せないように、手も押さえた。
「さてと、可愛いパンツの中には、どんなオマンコが隠れているのかな?」
 氷の声がわたしの頭の中に響く。
「や、止めてく、ください・・・お、お願いします、許して、それだけは許してください、お願いします」
 わたしは顔を真っ青にして、涙ながらに哀願した、こんな奴に頭を下げるのは嫌だったけど、パンツを下ろすのだけは・・・だって・・・
「ダメよ」
 松下は冷たく言い放つと、イキナリわたしのパンツに両手をかけ、一気に膝まで引き下ろした。
 あ・・・
 わたしはイキナリの出来事に声も出せず、松下の顔を見つめるだけだった。
「んふふ」
 松下は鼻で笑うと、イヤラシイ笑みを浮かべる。
「やっぱり、あたしの思ったとおりの、可愛いお子様オマンコね」
 そうだ・・・わたしのアソコは、未だに発毛のきざしすら見せていない、産毛すら生えていないのだ、身長以上のわたしのコンプレックス。
「ビラビラも、全然出てないし、産毛も生えてない、本当に赤ちゃんみたいな、オマンコ。ふふ。舐めちゃおうかな?」
 ニヤニヤしながら、松下が言う。
 いや・・・そんなこと、言わないで・・・心の中で叫ぶ。
 口から音が発せられない。
「ちぇっ大穴ねらったのに」
 橋本がわたしの後ろで悔しそうに言う。
「ははは、ホントだ、やっぱ幼児体形だと、ソコまで子供なんだな」
「ふふ、あたしの小6の妹だって、産毛くらい生えてるよ」
 永井と近藤が、両脇から小ばかにする。
 う、ううぅ・・・
 涙があふれる。
 放課後の学校で、自分の意思ではないといえ、スカートを持ち上げ下半身をさらけ出しているあたし。
 羞恥、恐怖、怒り、屈辱、いろいろな負の感情が心の中を、駆け巡る。
 何でこんなことに・・・橘クンと話したから?わたしが外様だから?チビだから?
 なんで?なんで?なんで?
 今日は人生最良の日だと思ったのに・・・
 頭がだんだん混乱してくる。
 蛇の目で松下がわたしをにらむ。
「さて、中はどうなってるのかしら?」
 な、中?なにする気?
 松下はひざまづくと、わたしのアソコに顔を近づける。
「足開いて」
 冷たい声。
 そ、そんなことできるわけ・・・
 心で叫ぶが、口から声は出ない、しゃべり方を忘れてしまったように。
「早く開きなさい」
 口調が強くなる。
「あ・・・う、うぅぅ・・・」
 意味のない音声が、口から出てくる。
「ん〜仕方ないわね、机に座らせて」
 松下が他の3人に命令すると、わたしの身体は軽々と持ち上げられ、上履きを脱がされ、パンツも完全に取られて教壇の上に座らさた、そして両足をMの字に開かされると、近藤と永井が足を閉じないようにと再びしっかり押さえた。
「おいおい、スカートが下がってるぞ」
 永井の指摘で、わたしは再び自らの手で、アソコを丸出しにした。
 何の抵抗もなく、言われるがままに、これ以上の事はきっとしない、そんな甘い考えもあった。
「足開いても、ぴったり閉じてる・・・自分で開いたことないのね?」
 松下の質問にわたしはただ首を縦に振る。
「嘘つくんじゃないよ、橘君のこと想って、毎晩オナッてんだろ」
 永井の言葉に首を振る。
 それは事実だ、オナニーのことは知っていたし、興味がなかったと言ったら嘘だ、だけど、自分身体が人一倍未熟と感じていたわたしは、自分の幼い性器を触れるのが恐ろしかったのだ。
「本当のこと言わないと、また痛い目見るよ」
 近藤が脅すが、わたしはただ首を横に振り続けた。
「あんた、また強情に・・・」
「いや、まって」
 永井の言葉を松下がさえぎる。
 なんで?ここまでやって、いまさらかばう?
 しかし、それは甘い考えだった。
「やったことがないなら、あたしが気持ちイイこと、教えてあげる」
 ど、どういう事?
 戸惑うわたし。
「だから・・・」
 松下が耳元に顔を近づけて、今までとは打って変わり、やさしい、そして甘い声でささやく。

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