火精
第7話・・・「あかちゃんゆうこ」
目を開けるとご主人様が心配そうな顔で、わたしを見守っていた。 「目が覚めたのね、有宇子ちゃん」 「あ・・・わたしいったい・・・」 旧校舎の裏で安藤に襲われて、アソコを触られ・・・、 わたしは、安藤に犯されたのではないかと、下半身に手をやり、自分のアソコを確認しようとする。 あ・・・す、スカート、わたしはパンツだけでなく、スカートまで取られ、下半身裸の状態だった。 「由紀さん、有宇子ちゃん目が覚めたわ」 ご主人様がそう言うと、カーテンが開く音がした。 「有宇子、心配したんだから」 由紀が突然抱きついてきた。 「ゆ、由紀、亜矢さん・・・ここは?」 「保険室よ、有宇子ちゃん、あなた旧校舎裏で倒れていたのを、由紀さんとあたしが見つけて・・・」 ご主人様が答えてくれた。 「有宇子、授業が始まっても教室に帰ってこないから、それと安藤君も、そしたら雨宮さんが、有宇子と安藤君が旧校舎の方に歩いていったのを見たって言うんで、わたしも、亜矢さんも心配して・・・」 「それで、二人で探しに行ったら、あなた一人で倒れてたの」 二人は状況を説明してくれた。 「そういえば、有宇子、下着、着けてなかったけど」 「あ・・・」 わたしは由紀の指摘に赤くなる。 「それに、安藤君は?」 と、ご主人様。 「あ、わ、わたし、安藤に襲われて・・・そして・・・気がついたらここに」 「な、何ですって」 由紀が声を張り上げる。 「あいつ、有宇子に、なんてこと」 「許さない、見つけ出して・・・」 二人は怒りを露わにする。 「で、ゆ、有宇子、あなたまさか・・・」 由紀が、顔を青くしてわたしに問う。 「だ、大丈夫・・・だと思う」 「思うって、有宇子」 と由紀。 「だ、だって、大丈夫よ、わ、わたし処女だもん、犯られてたら、痛いし、血だって出てるはずじゃない、じ、自分で今触ってみたけど、大丈夫、なんともなってない、きっとわたしが倒れて気絶しちゃったかなんかして、安藤の奴、怖くなって逃げ出したのよ」 わたしは、顔を真っ赤にしながら言った。 「そ、そう言われてみれば、そんな『形跡』なかったわね」 由紀も頬を染めた。 形跡?何の事? 「じゃあ、下着はあいつが持って行ったのかしら?」 とご主人様は白々しく行った。 わたしはご主人様の顔を見つめ、「ご主人様のポケットに入ってるのはナニ?」と目で訴えた。 考えてみたら、ご主人様が悪いんだ。わたしのパンツを取ったりするからこんなことに・・・ 「どうしよう?先生にはどう報告する?正直に言った方が良いのかしら? でもそれじゃ、有宇子ちゃんが恥ずかしい思いするし。このままにしておくのは癪だし・・・」 「正直に言う」 わたしは言った。 「でも、良いの有宇子?」 と、由紀。 「だって、あいつの顔なんて、二度度見たくない、このまま放って置いたら、明日また朝からあいつの顔見ないと行けなくなるかも、そんなの絶えられない」 わたしは言った。 すると、ご主人様は、 「わたしがパパに頼んで、学校に手をまわしてもらおうか?本当はこんなことしたくないんだけど、うちのパパ一応この学校の理事の一人だし、このままあいつが何食わぬ顔して学校くるのも許せない、まともに報告して、停学だなんて甘い処分だったら・・・」 「でも、停学だとしても、バレれば恥ずかしくて、二度と学校にこれないと思う」 「やっぱり、バレたらだめよ、そうなったら有宇子ちゃんだって恥ずかしい思いするのよ、そんなこと許されない」 「それもそうね・・・いや、そのとおりだわ、有宇子にそんな思いさせるなんて、絶対許さない、学校にだっていられなくなっちゃう、折角二人で一生懸命がんばって、入試クリアーしたのに・・・」 わたしは嬉しくて涙が出てきた、二人ともこんなにわたしのこと心配してくれて、真剣に検討策を考えてくれている。 「ゆ、有宇子ちゃんどうしたの?」 「どっか痛いの有宇子?」 二人は心配そうに顔をのぞきこむ。わたしは二人に飛びつくように抱きついた。 「違うの、嬉しいの」 わたしは泣きながら言った。 「嬉しい?」 由紀が不思議そうに聞く。 「だって、あ、亜矢さんも由紀も、こんなに心配して、わたしのために一生懸命考えてくれて、それで、それで・・・うっうぅ・・・」 途中で言葉にならなくなった。 「そ、そんなの当たり前でしょ。わたしたち親友でしょ」 由紀がわたしを抱きしめて言った。彼女も涙を流しているようだ。 「そうよ、由紀さんの言うとうりよ」 保健室にわたしの嗚咽だけが鳴りつづけた。 「そ、それはそうと、有宇子」 しばらくして、わたしが泣き止むと、有宇子が恥ずかしそうに。 「ちょっと、目のやり場に困るのんだけど・・・まあ、あなたのはそんなイヤラシくないっていうか、可愛いいから、あなたがイイって言えばイイんだけど・・・」 「え?」 何の事だろう? 「有宇子ちゃん、あなた下半身・・・」 え・・・ 「ああ、そうだ、わたしのスカート」 わたしは顔を真っ赤にして、剥き出しのアソコを両手で隠しながら、ペタンと座りこんだ。 「なんでわたしこんな格好なの?」 わたしはベソをかきながら聞いた。 「ちょ、ちょっと言いにくいんだけど・・・」 ご主人様と由紀は、困ったように視線を合わす。 「あのね、きっと気絶したときのショックでだと思うんだけど、あなた、おもらししてたの」 え? 「それで、スカート濡らしたままベットに寝かせるわけにもいかないんで、二人で脱がしちゃた」 「あ・・・」 そう言えば、トイレにいく途中で安藤に呼びとめられたんだった・・・ それにしても、一日二回もおもらしするなんて、しかも、ご主人様だけでなく由紀にまで見られるなんて・・・最低だ。 「あ、あと、おしっこで汚れたままじゃ気持悪いと思って・・・」 「わたしと、亜矢さんで、綺麗にしてあげちゃた」 き、綺麗にって・・・ わたしは口を金魚のようにパクパクさせて、二人の顔を交互に見た。二人ともにこにこしながら、わたしの仕草を見てる。 「ひどい、二人ともエッチだー、うぅっ」 わたしは恥ずかしくて声を出して泣き始めてしまった。 「そ、そんな、泣かないでよ有宇子ちゃん」 「そうよ、ね、有宇子に泣かれると、亜矢さんもわたしも困っちゃう。。。」 それでもわたしは、幼児化したようにビービーと泣き止まない。 「うそだもん、ふたりとも、わたしがこどもっぽいから、からかったり、えっちなことしたりして、あそんでるんだ〜、えっえっえっえ〜ん」 「そんな事あるわけないでしょ、ほら、いつまでもそんな格好じゃ、家に帰れないわ」 ご主人様はそう言うと、椅子の上の置いてあったスポーツバッグから、体操着のジャージを取り出した。 「はい、これはいて、あたしのだから、サイズが大きいかもしれないけど」 「あ〜ん、また、ゆうこのこと、ちいさいっていった〜」 わたしはさらに泣き出した、ご主人様と由紀は呆れた顔でお互い見つめ合っている。 「そうよ、有宇子ちゃんはおもらしする赤ちゃんなの、だからお姉さんたちのいう事聞きなさい」 「あ、亜矢さんそれって・・・」 「良いから任せて」 ふたりは目配せする。 「ゆうこ、あかちゃん?」 「そう、だから、おもらししても恥ずかしくないの」 わたしの質問に。ご主人様は答えた。 そうだ、わたしは赤ちゃん、わたしは赤ちゃん、赤ちゃん、おもらしする赤ちゃん、ご主人様の言葉に間違いがあるわけないんだ・・・ 「はい、これはきなさい、いつまでも「われめちゃん」出しっぱなしじゃ風邪引いちゃうわよ、さあ、はかしてあげるから立ちなさい」 ご主人様はわたしを立ち上がらせると、ジャージのズボンをはかせてくれた。パンツをはいてないので、アソコに生地が摩れてムズムズする。 「さあ、ベッドに座りなさい、上が制服で、下がジャージじゃ変でしょ。上も着替えるわよ」 わたしはベッドに腰掛けて、ご主人様のなすがままにブラウスを脱がさ、ブラジャーまで外された。 「なんで、ぶらじゃーもとるの?」 「ちょっと、亜矢さん、悪乗りし過ぎじゃ・・・」 「いいのと由紀さん、ほら有宇子ちゃん、赤ちゃんはブラなんてしないでしょ」 「うん」 わたしは桜色の二つの突起を隠しもせずにうなずいた。 「も〜」 由紀は顔を赤らめてみている。 突然、モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトム・ジークが鳴り出した。 「あ、電話」 そう言うと、ご主人様は、制服のポケットから携帯電話を取り出して、保健室の隅のほうで話し出した。 「し、渋い、亜矢さんの着メロ・・・」 由紀がつぶやいた。 「くちゅんっ」 わたしはイキナリくしゃみが出た。 「さむいよ〜」 「あ、ゴメン有宇子、まだ裸のままだったね、はい、着せてあげるからね」 わたしは全裸でご主人様に膝枕をしてもらい、ご主人様の指をオッパイのようにチュウチュウと吸っていた。ご主人様は空いた方の手で、わたしの胸やワレメを優しく撫でている。不思議なことに、今朝起きたとき大きくなっていた胸は元の大きさに戻っていた、いや、以前より小さくなっていたようだった。それにアソコに生え初めていた産毛もなくなている。 そんな事はどうでもよかった、ただ、ご主人様に撫でられているだけで、こんなに心地良いなんて・・・きっと母親に抱かれる赤ん坊の心境というのはこんな感じだろう。そうだ、今わたしはあかちゃんなんだ、ご主人様と肌が触れているだけでこんなに安心感が、不思議だ、昨日まで会話をしたことなんてほとんどなかったのに、たった一日でココまでご主人様に信頼を寄せている。 「有宇子はホントに赤ちゃんね」 わたしの頭を撫でながらご主人様は言った。二人っきりのときは「ちゃん」を付けないで呼び捨てにする、それがなぜか嬉しかった。 わたしは今、今朝ご主人様と一緒に登校したときに乗ったベンツの車内にいた。わたしの為に普段下校時は電車を使っているご主人様がわざわざ呼び寄せてくれたのだ。 まず、由紀を家に送り届けたあとわたしはご主人様の家に泊まることになった。スカートが濡れたまま家に帰り、母親を心配させまないようにと考えたご主人様のアイデアだった。もちろん別の目的があるに決まっている、いや、どちらかというとそちらがメインだ。 家に電話をし友達の家に泊まるというと、母は特に詮索もしないで了承してくれた。本来母はキチンと連絡さえ取り所在地をハッキリさせれば、友達の家に泊まろうと、多少家に帰るのが遅くなろうと怒るような人ではない、昨晩怒られたのは、連絡もしないうえに携帯電話に出なかったからだ。 母は先方に失礼のないようにとだけ言って電話を切った。きっと今晩は友人たちと飲みに行くことだろう。たまにこうやって母の自由な時間を作るのも親孝行だなどと、自分勝手なことを思ったりもする。 巨大な門の前でベンツは止まった。表札には大きく「MATUSHITA」と刻まれている。わたしは目を見張った。 「お、おっきい・・・」 と、一言発するのがやっとだった。両側とも次の交差点まで壁が続いている。一区画まるまるご主人様の家のようだった。 「すごい、ごしゅじんさま・・・」 「違うのよ有宇子」 ご主人様がなぜか否定した。 「この家はパパが建てた家なの、すごいのはパパであってあたしじゃないのよ。あたしは偶然この松下家に生まれて恩恵にあずかっているだけ・・・」 なんてすごい人だろう・・・そう話すご主人様の目を見ながらわたしは思った。普通大金持ちのお嬢様だったら、勘違いの奢りがありそうなものだけど、彼女はそんなところは微塵も見せなかった。さすがわたしのご主人様だ。わたしは思わずご主人様に抱き着いてしまう。 「ど、どうしたのよ急に?変な子」 ご主人様は戸惑うだけだった。 |